研究紹介

エネルギー系

熱流体における流れの可視化と数値シミュレーション
塩見研究室

我々の身近にある空気や水などに代表される気体と液体を総称して流体と言いますが、その動きを直接目で見ることが困難な場合が多く、その様子などがよく分からないときがあります。また、熱の動きも目で見ることは出来ません。そのような熱を伴う流体の動きを、目に見えるようにする技術が「流れの可視化」です。

流れの可視化によって熱流体の流動特性を実験的に解析することにより、瞬時の速度場などを求めることが出来ます。さらに熱流体解析ソフトを用いた数値シミュレーションを行うことにより、実験で測定が困難な物理量やそれらの分布を把握することが出来ます。(例えば、冷蔵ショーケースにおけるエアカーテンの温度分布や速度分布、水泳プールにおける水循環など)

さらに、気体、液体、固体のうち2つもしくは3つが一緒になって流れる混相流(気体と液体からなる気液二相流を主に扱う)についても、実験的研究や数値シミュレーションを用いた解析を行っています。(例えば、気液二相スラグ流の液相速度分布など)

ショーケースにおけるエアカーテンの温度分布 粒子画像流速測定法による気液二相スラグ流の液体速度分布
ショーケースにおけるエアカーテンの温度分布 粒子画像流速測定法による気液二相スラグ流の液体速度分布

惑星探査用飛行隊に関する研究
大津研究室

火星などの惑星探査を行い、採取した試料を地球に持ち帰る場合には、地球の大気圏を高速飛行する必要があります。その飛行速度は地球の場合で約27000km/h(音速の約27倍:マッハ27)にも達するため、飛行体のまわりには強い衝撃波が形成され、それに伴って周りの空気が断熱圧縮され高温になることから、飛行体は高温空気に包まれます。この現象を空力加熱といい、スペースシャトルのような飛行体をこの空力加熱から守る技術は重要な研究課題となっています。
私たちの研究室では、この空力加熱から飛行体を守るための技術として、電磁力を利用した飛行体まわりの流れ場の制御や、多孔質体を利用した新しい耐熱材の研究、柔軟構造物を利用した新しい再突入飛行体の研究をJAXAなどとの共同研究により行っています。

また、多くの惑星大気は地球よりも薄いことが多く、地球上でも高高度を飛行する場合には、同様に大気密度が低下します。その場合、流体力学的にはレイノルズ数が小さい領域を飛行することになります。レイノルズ数は、飛行速度が遅い場合や飛行体そのものが小さい場合にも小さくなり、同じレイノルズ数であれば同様の特性を示すことになります。つまり、小型・低速飛行体がうまく実現できれば、惑星大気を安全に飛行できる飛行体が実現できることになります。
あまり知られていませんが、人力飛行機などでも速く飛行するよりも「ゆっくり」飛行する方が難しいのです。私たちの研究室では「ゆっくり」飛行できる飛行体の実現を目指して、低レイノルズ数領域の翼のまわりの流れの解析技術の研究や、流れ場の制御技術、人力飛行機や小型飛行船などの研究を行っています。

電磁力を利用した飛行体まわりの流れ場の制御の概念図 小型飛行船の飛行実験の様子
電磁力を利用した飛行体まわりの流れ場の制御の概念図 小型飛行船の飛行実験の様子

熱エネルギーの効率的な利用を考える
野口研究室

レーザ流速計で火炎中の気流を計測する様子
レーザ流速計で火炎中の気流を計測する様子

火炎に乱れを与えると、よく燃えるようになることは、経験的にはよく知られており、実際に自動車エンジンをはじめ幅広く利用されています。
したがって、乱れと燃焼促進の効果の関係を調べることは、より効率のよい燃焼器を設計するためには必要不可欠です。しかし燃焼現象は、急激な温度変化と無数の反応を伴った複雑な現象であるために、乱れと燃焼促進の効果を解析することはとても難しいことです。

現在、火炎中で発生しているイオン電流を計測する静電探針と火炎中の気流を計測できるレーザ流速計を使用し、これらを同時計測する技術を応用して、乱れによる燃焼促進の効果を定量的に調べています。