研究紹介

システム系
物理・計測分野

機能性磁性材料の物性ならびに磁性の研究
左近研究室

現代の工業材料の中には磁石や磁性体などの磁気材料が多く使われている。そうした材料は磁場中で利用されるために磁場中での磁性(磁気的な性質)の評価が重要である。 磁化はいわゆる物質のもつ磁石の性質の強さを測るもので、磁気材料の評価の上で一番基本的な物理量である。また、最近では宇宙からあるいは砂漠の真ん中まであらゆる条件 でも機械が動作することが求められている。本研究では、液体ヘリウム温度(-269 ℃)から摂氏300 ℃程度の温度領域での磁気測定装置を作成し磁気機能性合金の研究を行な っている。

本研究室には瞬間的で強い磁場を加えることが出来るパルス磁場発生装置があり、数%もの歪みを発生する新規ホイスラー合金などの磁場誘起歪みの研究を行っている。 また、核磁気共鳴(NMR)による原子レベルでの微視的な磁性の研究も行うことで、マクロ(巨視的)な状態からミクロ(微視的)な状態までの物性・磁性を観察することでこれら の合金の持つ機能性について探索している。

パルス磁場発生装置。最高で40 T(40万ガウス)の強磁場が発生可能 核磁気共鳴(NMR)実験装置。電磁石と組み合わせてミクロな磁性を探る
パルス磁場発生装置
最高で40T(40万ガウス)の強磁場が発生可能
核磁気共鳴(NMR)実験装置
電磁石と組み合わせてミクロな磁性を探る

各種機能材料に於ける微細領域観察
前田研究室

主に電子線、X線を用いた分析や構造評価を行っています。機械が動作するには、ある瞬間に必ず2つの部品間の接点があり、その接点を通じて働く応力が働いています。こうしたときに材料には何らかの痕跡が残るのです。部品自体の受ける力はその部品を変形させていなく見えても、部品の表面の非常に微細な部分を拡大してゆくと、材料自体の受けた力は痕跡として残っています。このような実働した部品に残された痕跡を丹念に調べることからその部品が受け持つべき応力や寿命というものを探り、予測してゆくこともできます。これらの、特に構造材料(金属)に対しその内部を探るために粒子線結晶学が発展し、その応用は今でも発展しつつあります。電子線による高角散 乱回折からGaとAsの原子半径を判別するに至っています。また、高分解能像観察が一般化し、優れた観察結果をもたらしています。

4足ロボット「龍馬」
合金断面に於ける各元素濃度の分布の観察例
延性確保のためB原素を加えたNi2MnGa合金:B原子が粒界に偏析していることが伺える

像観察時に副次的に発生する電子線やX線を用いた分析も重要な情報を与えてくれます。非常に微細領域での組織や成分分析により、様々な事象の原因を考察することができます。また全域にわたる成分濃度の分布・揺らぎの測定、不純物の特定などを行うことで、部品の信頼性のチェックを行うことができます。
発展的には真空中では観察できない液体などの観察法、摩擦挙動や相変態などの動的な挙動に於けるその場観察など、ダイナミックな変形や遷移の過程を考察するための観察法や分析法の確立を目指しています。